気になるニュース | 上司を「さん」で呼ぶ人が増加!?「課長」が当たり前だった職場に劇的変化か

上司を役職名ではなく、名字に「さん」を付けて呼ぶことを望ましいとする人が増えているという調査が、注目されています。

そこで本記事では、今回のニュースを入り口に、以下の4つの構成で気になる情報や役立つ豆知識などをお届けします。

  1. 上司への「さん付け」を巡るニュース紹介。
  2. 「仕事中の記憶とひらめき」に関する2つの豆知識。
    脳は"中途半端"が嫌い?やりかけの仕事が頭から離れない脳の不思議なメカニズム
    「何もしない時間」がアイデアを生む!?"ぼーっ"としている時の脳とひらめきの関係
  3. Xのコメントまとめ。
  4. 筆者の感想。

今回のニュースに注目しながら、仕事中の記憶やひらめきにまつわる豆知識も身につけていただき、働きやすい職場について改めて考えるきっかけになれば幸いです。

それでは早速、上司の呼び方を巡るニュースから見ていきましょう。

上司への「さん付け」を巡るニュース情報

今回の上司の呼び方に関するニュースをまとめました👇

今回の上司の呼び方を巡るニュースをきっかけに、日々の働き方にも関わる、仕事中の記憶とひらめきにまつわる2つの豆知識をご紹介します。

脳は"中途半端"が嫌い?
やりかけの仕事が頭から離れない脳の不思議なメカニズム

やりかけの仕事や中断された作業が、なぜか頭の中でずっと気になってしまう経験はありませんか。

帰宅してからも、返信していないメールや途中の資料が思い浮かぶことがあります。

心理学では、完了した課題よりも中断した課題を思い出しやすい現象が「ツァイガルニク効果」として知られてきました。※1

ただし、未完成の課題がいつでも記憶に残りやすいとは限らず、研究結果にはばらつきがあります。※1

この記事では、やり残した仕事が気になる理由と、頭を切り替えるための工夫をご紹介します。

完了したタスクより未完成タスクの方が記憶に残ることがある。

ツァイガルニク効果は、心理学者ブルーマ・ツァイガルニクによる1927年の研究に由来します。※1

実験では、作業を途中で中断した場合と、最後まで終えた場合の記憶が比較されました。※1

初期の研究では中断した課題を思い出しやすい結果が報告されましたが、後の研究で同じ結果が一貫して得られているわけではありません。※1

2025年のメタ分析では、未完成の課題に全般的な記憶の優位性は確認されず、むしろ中断した作業を再開する傾向が示されました。※1

「途中で止めれば必ずよく覚えられる」と考えるより、課題への関心や状況によって反応が変わると捉える方が適切です。

なぜ未完成のタスクが気になるのか。

未完成の仕事について考えてしまうことは、単に内容を覚えていることとは少し異なります。

「まだ終わっていない」「忘れたら困る」という目標が残っていると、別のことをしている最中にも、その仕事が意識に浮かぶことがあります。

2011年の研究では、未達成の目標によって、無関係な読書中に目標についての考えが入り込むなどの影響が観察されました。※2

一方、その目標に取り組む具体的な計画を立てると、こうした思考や他の課題への干渉が軽減されました。※2

すべてを今すぐ終わらせなくても、「いつ、何をするか」を決めることで、気持ちを切り替える助けになる可能性があります。

日常生活での活用法――次にすることを具体的に残す。

仕事を中断するときは、作業の名前だけでなく、再開後の最初の一歩も書き残してみましょう。

例えば「資料作成」だけでは、翌日どこから手を付けるかを考え直す必要があります。

「明日の午前中に、売上資料の3ページ目へ最新の数字を入れる」と書けば、再開する場面を具体的に思い描けます。

このように、未完了の目標に具体的な計画を与えることは、研究で示された考え方を日常に取り入れる一つの方法です。※2

学習でも「次は例題2から解く」と残しておけば、再開時の迷いを減らせそうです。

記憶を良くするために無理に作業を中断するより、自分が落ち着いて再開できる形を整えておくことを意識してみてください。

未完成の仕事が気になるときは、頭の中だけで管理し続ける必要はありません。

終わっていないことを整理し、次に取り組む時間と行動を決めることが、切り替えの手がかりになります。

「まだ終わっていない」から「次にどう進めるかは決まっている」へと変えるだけでも、仕事との向き合い方を見直せそうです。

「何もしない時間」がアイデアを生む!?
"ぼーっ"としている時の脳とひらめきの関係

何もせずにぼんやりしているとき、脳は本当に休んでいるのでしょうか。

目の前の作業から離れていても、脳の活動がすべて止まっているわけではありません。

外から与えられた課題への集中が弱まった場面で活動しやすい脳のネットワークに、「デフォルトモードネットワーク」があります。※3

このネットワークは、自分の経験を思い返したり、未来を思い描いたりするような、内面に向いた思考と関わっています。※3

その働きとひらめきの関係を、研究を手がかりに見ていきましょう。

デフォルトモードネットワークとは何か。

デフォルトモードネットワークは、略して「DMN」と呼ばれます。

一つの場所を指す言葉ではなく、複数の脳領域が連携して働くネットワークの名称です。※3

例えば、窓の外を眺めながら昨日の出来事を思い返すような場面では、注意が目の前の作業から自分の考えへ移っています。

こうした内面に向いた思考を理解するうえで、DMNは重要な研究対象になっています。※3

「ぼんやりしているように見える時間」にも、さまざまな思考が続いているのです。

なぜ作業から離れるとアイデアが浮かぶことがあるのか。

一つの問題を考え続けていると、同じ案を繰り返してしまうことがあります。

そんなとき、いったん別の簡単な活動へ移ることが、発想を見直すきっかけになる場合があります。

2012年の研究では、考えが自然にさまよいやすい、負担の小さい課題を挟んだ条件で、以前取り組んだ創造性課題の成績が改善しました。※4

ただ休むだけの条件や、難しい課題を行う条件と比べて良い結果が得られた点も、興味深いところです。※4

また、2015年の脳画像研究では、創造的な発想にDMNと実行機能に関わるネットワークの協力が関係することが示されました。※3

アイデアづくりには、自由に思い浮かべることと、それを整理して選ぶことの両方が関わっていると考えられます。※3

ひらめきのための時間をどう取り入れるか。

企画や文章づくりで行き詰まったら、考えている問題を短くメモしてから、作業をいったん離れてみましょう。

例えば、机の上を軽く片付けたり、短い距離を歩いたりする時間を設ける方法があります。

その間に必ず良い案が浮かぶわけではありませんが、同じ画面を見続ける時間を区切ることはできます。

思い付いたことがあれば、その場で一言だけ記録しておくと、後で検討しやすくなります。

戻ってからは、浮かんだ案が目的に合っているか、実現できるかを落ち着いて確認しましょう。

自由に考える時間と、案を具体化する時間を分けてみることが、研究から得られる実践上のヒントになります。※3※4

ぼんやりする時間も、発想を広げるきっかけになる可能性があります。

一方で、創造性は「何もしないだけ」で決まるものではありません。

考えること、いったん離れること、戻って見直すことを、自分の仕事に合う形で組み合わせてみてはいかがでしょうか。

Xのコメントまとめ

それでは、上司への「さん付け」を巡るニュースについて、Xで寄せられたコメントをまとめましたので、紹介していきます。

筆者のコメント

今回のニュースを読んで、上司の呼び方は短い一言でありながら、職場の空気を感じさせるものだと思いました。

「課長」と呼ぶことに安心感がある人もいれば、「○○さん」の方が自然に話しかけられる人もいるはずです。

毎日使う言葉だからこそ、会社を移ったときや新しい部署に入ったときには、その違いに戸惑うこともありそうです。

私が気になったのは、どちらの呼び方が正しいかということより、相手が話しかけやすい状況になっているかという点です。

名字に「さん」を付けて呼べても、質問するたびに嫌な顔をされたら、相談のハードルは高いままです。

逆に、役職名で呼ぶ職場でも、上司が手を止めて話を聞いてくれるなら、安心して仕事を進められると思います。

呼び方と、その後の受け答えは、合わせて考えたいところです。

また、「さん付け」を取り入れるなら、上司だけでなく部下への呼び方にも目を向けたいと感じました。

上の立場の人には丁寧に接する一方で、若手には呼び捨てや強い口調が当たり前という状況では、対等に尊重されているとは感じにくいでしょう。

年齢や役職にかかわらず、一人の相手として接する姿勢が、普段の言葉にも表れるといいですね。

ただ、長く慣れ親しんだ呼び方を急に変えるのは、想像以上に難しいことかもしれません。

「今日から全員さん付け」と決めても、つい以前の呼び方が出ることはありそうです。

そんなときに間違いを厳しく責めると、話しやすい職場を目指したはずの取り組みが、かえって緊張を生む気がします。

なぜ変えるのかを共有し、少しずつ慣れていける余裕も必要だと思います。

今回紹介した豆知識を通して、働きやすさには、人との関係だけでなく、自分の頭を切り替えられることも関わると感じました。

相談できないまま仕事を抱えると、帰宅後まで「あれはどうしよう」と考え続けてしまうことがあります。

次にすることを整理できたり、行き詰まったときに少し席を離れられたりする環境は、大切にしたいです。

呼び方を変える話をきっかけに、質問しやすさや休みやすさまで見直せれば、日々の負担も少し変わるのではないでしょうか。

私は「さん付け」を、相手への敬意をなくすための言葉ではなく、敬意を保ちながら声を掛ける一つの方法として受け止めました。

どんな呼び方を選んでも、相手の話を聞き、困ったときに助け合えることを大事にしたいです。

引用文献

  1. ※1 Ghibellini, R., & Meier, B.(2025)「Interruption, recall and resumption: a meta-analysis of the Zeigarnik and Ovsiankina effects」。

    https://www.nature.com/articles/s41599-025-05000-w

  2. ※2 Masicampo, E. J., & Baumeister, R. F.(2011)「Consider it done! Plan making can eliminate the cognitive effects of unfulfilled goals」。

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21688924/

  3. ※3 Beaty, R. E., et al.(2015)「Default and Executive Network Coupling Supports Creative Idea Production」。

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26084037/

  4. ※4 Baird, B., et al.(2012)「Inspired by Distraction: Mind Wandering Facilitates Creative Incubation」。

    https://www.psychologicalscience.org/journals/psychological-science/0956797612446024/

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