
女子高生の写真へのコメントに、警察アカウントの警告が示された画像がXで注目されています。
そこで本記事では、話題の投稿を入り口に、以下の4つの構成で「子どもへの性的な言動と性犯罪への理解」をテーマにした話題をお届けします。
- 警察の注意喚起が示されたX投稿の紹介。
- 「性的暴行」に関する2つの豆知識。 性犯罪の「認知件数」が45%増えた年。性犯罪、実は「検挙されやすい」犯罪になっている。
- Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回の投稿に注目しながら、相手の意思と安心を守るために何ができるのか、改めて考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、話題のX投稿から見ていきましょう。
警察の注意喚起が示されたX投稿のニュース情報
今回の警察の注意喚起が示された投稿を紹介します。
子どもへの性的な言動を巡る投稿をきっかけに、性犯罪の認知件数と検挙率に関する2つの豆知識をお届けします。
性犯罪の「認知件数」が45%増えた年。
「警察が把握した件数」を意味する認知件数には、その年の被害の把握状況が表れます。
性犯罪の認知件数は、法改正を挟んで大きく動いています。
増えた数字を見るときには、法律上の対象範囲が変わった背景も確認する必要があります。
3,936件、前年比45.2%増。
法務省『令和7年版犯罪白書』によると、令和6年の不同意性交等の認知件数は3,936件で、前年より1,225件、45.2%増加しました。※1
このうち、被害者が女性の事件は3,780件でした。※1
不同意わいせつの認知件数は6,992件で、前年より896件、14.7%増加しています。※1
数字が増えた理由は「捉え方」も変わったから。
白書は、平成29年の対象範囲の拡大や、令和5年の構成要件の変更などが統計に影響する点に注意を促しています。※1
認知件数の増加だけから、実際に起きた被害が同じ割合で増えたとは判断できません。
令和5年改正後の要件に該当する不同意性交等は3,573件で、集計に含まれる行為の範囲にも目を向けることが大切です。※1
令和6年の不同意性交等の認知件数は3,936件で、前年比45.2%増でした。※1
数字を正確に読むには、警察が把握した事件の件数であることと、法改正の影響を合わせて考える必要があります。
性犯罪、実は「検挙されやすい」犯罪になっている。
性犯罪の捜査について、どのような印象を持っているでしょうか。
公的統計では、警察が認知した事件の件数と、検挙した件数の関係を確認できます。
ただし、検挙率は被害全体の解決率や、有罪になる確率を示すものではありません。
検挙率85.8%。
令和6年の不同意性交等の検挙件数は3,376件で、検挙率は85.8%でした。※1
前年から9.3ポイント上昇し、不同意わいせつの検挙率も83.8%で、前年から4.8ポイント上昇しています。※1
これらは、その年の認知件数に対する検挙件数の割合を示した数字です。
「把握される」ことの意味。
検挙率は検挙件数を認知件数で割って計算しますが、その年に検挙された事件には過去に認知された事件も含まれ得ます。
そのため、「届け出た事件の約8~9割が解決する」と読み替えることはできません。
警察に把握されていない被害も、この割合には含まれないため、数字と被害の実態を分けて考えることが必要です。
令和6年の検挙率は、不同意性交等が85.8%、不同意わいせつが83.8%でした。※1
高い検挙率だけで被害者の不安が解消されたとは言えず、相談や捜査につながりやすい環境も大切です。
Xのコメントまとめ
それでは、警察の注意喚起が示された投稿について、Xで寄せられたコメントを紹介します。
筆者のコメント
今回の投稿を見て、最初に気になったのは、写真に写っている人の気持ちが置き去りになりやすいことです。
投稿した側は自分の写真を見てもらいたかっただけかもしれませんが、見る側が勝手に性的な意味を付け加えると、その場の安心感は大きく変わると思います。
「冗談のつもりだった」という説明は、言った本人の気持ちを示すだけで、受け取った人が怖くなかったことの証明にはなりません。
特に子どもに向けた言葉では、大人が面白がる前に、相手がその言葉をどう受け止めるかを考えてほしいです。
警察の注意喚起が並んだ画像には意外性があり、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
ただ、拡散される見出しの勢いに引っ張られて、画像にない逮捕や捜査の結果まで想像してしまうのは避けたいと思います。
注意喚起があったことと、個別の犯罪が成立したことは別に確認する必要があります。
誰かの発言を批判するときほど、確かめられた事実を丁寧に扱う姿勢が大切だと感じました。
犯罪白書の数字を見ると、不同意性交等の認知件数の増加には驚かされます。
しかし、法律の対象範囲が変わっている以上、増えた割合だけで社会全体を説明することはできません。
数字の背景を読むことは、被害を軽く見るためではなく、何が起きているのかをより正確に理解するために必要だと思います。
また、検挙率が高いという情報を知っても、被害に遭った人が安心して話せるとは限りません。
誰にも相談できなかった経験や、話すこと自体への不安は、その割合の外側にもあるはずです。
だからこそ、周囲の人が相談を受けたときに、なぜ逃げなかったのか、なぜすぐ言わなかったのかと責めないことが大切だと思います。
本人が話せる範囲を尊重し、困っていることを一緒に整理する姿勢を持ちたいです。
SNSでは、短い言葉がたくさんの人に届く一方で、その言葉が相手に与える圧力は見えにくくなります。
画面の向こうにも日常を送っている人がいて、投稿を読んだ後も生活は続いています。
反応の数や面白さを優先する前に、その人が自分の言葉を読む場面を想像するだけでも、書き方は変えられると思います。
今回の話題を、誰かを笑うだけで終わらせるのはもったいないと感じました。
子どもへの性的な言動をどう受け止めるか、被害の数字をどう読むか、そして不安を訴える人にどう接するかを考えるきっかけにしたいです。
身近な言葉の選び方からでも、安心して過ごせる環境をつくる行動は始められると思います。
引用文献
- ※1 法務省『令和7年版犯罪白書』第1編第1章第2節4「性犯罪」。
https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_1_1_2_4.html



















